【理論暗記ツール】スタディングオリジナル(無料お試し版:簿財コース)
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一般原則

1.真実性の原則

(1) 意義

 企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

(2) 位置付け

 真実性の原則は、企業会計の最高規範とされ、企業会計原則の頂点に位置する原則である。

(3) 要請内容

 真実性の原則は、他の諸原則を遵守することで、真実な財務諸表を作成することを要請する。

(4) 真実性の原則における「真実」

 真実性の原則が要請する真実は、相対的真実である。相対的真実とは、企業会計原則に準拠すること、すなわち「適正性」を意味する。

(5) 財務諸表の本質

 財務諸表は、「記録された事実と会計上の慣習と個人的判断との総合的表現」である。


2.正規の簿記の原則

(1) 意義

 企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

(2) 要請内容

 正規の簿記の原則は、すべての取引について、正確な会計処理を行い、正確な会計帳簿を作成することを要請するとともに、それに基づいた誘導法による財務諸表の作成を要請する。

(3) 正確な会計帳簿の要件

 正確な会計帳簿と言えるための要件は、網羅性検証可能性秩序性の3つである。


3.資本取引・損益取引区別の原則

(1) 意義

資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。

(2) 要請内容2つ

1 資本取引損益取引の区別を要請している。

2 資本剰余金利益剰余金混同禁止を要請している。


(3) 資本取引と損益取引を区別することの重要性

 利益の金額は、損益取引から生じた資本の増加分だけに限定されるべきであり、資本取引による資本の増加分を利益に混入させると適正な期間損益計算が阻害される。

(4) 資本剰余金と利益剰余金の混同禁止の必要性(利害調整の観点)

 資本剰余金は維持拘束性を特質とし、利益剰余金は分配可能性を特質とする。したがって、両者を混同すると、維持すべき資本が浸食される危険性があるため、両者を混同してはならない。

(5) 資本剰余金と利益剰余金の混同禁止の必要性(情報提供の観点)

 資本剰余金は資本取引源泉とし、利益剰余金は損益取引源泉とする。資本を源泉によって区別することで投資家の意思決定に役立つ情報となるため、両者を混同してはならない。


4.明瞭性の原則

(1) 意義

 企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

(2) 要請内容

 明瞭性の原則は、財務諸表による会計事実の明瞭表示適正開示を要請している。

(3) 具体的な適用

 企業会計原則注解(注1-2及び1-3)に示されている、明瞭性の原則の具体的な適用は、重要な会計方針の開示と重要な後発事象の開示である。